龍谷大学法学部 Ryukoku Access to Law and Politics

龍谷大学法学部
You, Challenger

法学部の先生・ゼミナールを紹介するHPを開設しました
~ 第3回は斎藤先生です ~

Introduction

このホームページでは、法学部の先生方やゼミ生に、学生広報スタッフLeD’sの学生からインタビュー等を行うことで、先生の人柄やゼミでの取り組み・雰囲気等を在学生や受験生に発信していきます。
第3回目は、斎藤先生にお話を伺いました。

1.斎藤ゼミってどんなゼミ?

Q1.斎藤ゼミでは拘置所見学やディベートを授業でされているとお聞きしたのですが、今具体的にどのような活動をされていますか?

インタビューに答える斎藤先生インタビューに答える斎藤先生

「いろいろですね。1つは、刑事訴訟法の代表的な問題点について、複数の班に分け、それぞれの班で調査し、意見を出して、議論するということをしています。
法律学の「答え」は1つではありません。むしろ、調査・議論する中で、複数の考えを共有すること、その複数の考えについて、さらに深く考え、自分なりの「正解」にたどり着こうとすることが重要です。いつもゼミ生に伝えているのが、1つの問題について、複数の思考ルートで考える能力が重要だということです。法律学は、1つの「正解」を覚える学問でもないし、自分と異なる考えを葬り去る学問でもないのです。1つの問題について、いろんな視点から考え、いろいろな「答え」を用意する、そこから自分なりの「正解」にたどり着くことが重要です。それが「考えること」だと思います。同級生たちと議論しながら、「考えること」ができるようになってほしいというのが1つの狙いです。2つ目は、法律の世界というのは非常に抽象的であるため実際に見て、聞いて、体験してみないとわからないことが多いのです。そういう意味では、教室だけで議論するには限界があります。実際に、法律が運用される現場、刑事訴訟法との関係では、裁判所、拘置所、そして刑務所などに触れて考えることが大事だと思います。誤判事件について、弁護団の協力も得て、調査し研究するという活動も、行っています。その他、模擬裁判や、いくつかの大学で行っている刑事法討論会の準備をするなどの活動を行っています。ただ、活動内容を固定しているわけではなく、ゼミ生の意見を尊重してみんなで決めています。」

Q2.斎藤先生は「ゼミ」をどのようなものと考えていますか。

斎藤ゼミの様子①斎藤ゼミの様子①

ゼミは、「特別な」講義であると思っています。これにはいくつか理由があります。1つは、ゼミ生自身は行動し考えて学んでいく場であるということです。一方的に教員が用意したものを受け取るのが、「普通の」講義でしょうけど、それとは決定的に違うのがゼミです。ゼミ生自身が学びたいことを設定して、自分たちで調べて学ぶ場なのです。もう1つは、ゼミにおける人間関係は、普通の講義では構築できない、特別なものだということです。同級生だけでなく、先輩や教員と、密接かつ特別な人間関係が築けるという場がゼミなのです。私も、一生のつきあいのある友人とゼミで出会いましたし、学問上の師匠ともゼミで出会いました。」

Q3.斎藤ゼミにはどんな学生が集まっていますか。

「ゼミの準備やゼミの時間に勉強する時は集中して取り組むし、それ以外の時間は、懇親会など、徹底して遊び楽しむ、すごくメリハリがある学生が多いです。」

Q4.「ここは他のゼミに負けないぞ」という点があれば教えてください。

ゼミ生同士、そしてゼミ生と教員の仲の良さや団結力ですね。欠席する生徒もいないですし、ゼミ以外の時間でも教室でゼミ生同士いろいろ話したりするなど、団結力は斎藤ゼミの売りの1つだと思っています。もう1つは、メリハリの良さ・切り替えの早さですね。」

Q4.ゼミで学生に身につけてほしい能力は何ですか?

斎藤ゼミの様子②斎藤ゼミの様子②

「1つは、消費者意識から脱却してほしいということです。最近の学生は、考える力が落ちているとか無気力だとかそんな意見があります。だけど、私はそんなことはないと思っています。やるべきことやその理由をしっかり説明すれば、すごくよく考え活動してくれます。ただ、自分が学生のときなどと比べると、「消費者」意識にどっぷり漬かっている学生が多いかなと思います。何かをしてもらうのを待っているし、「損」をしたくないと思っている。そのこと自体、直ちに悪いことではないのですが、それだけではダメだと思います。今の学生たちには、消費者意識とは別に意識・姿勢を身につけて欲しいと思っています。その姿勢とは、自身から何かを生みだし提供するという、主体的に思考・行動する意識・姿勢です。学生生活との関係では、消費者意識にどっぷり漬かった学生は、「答え」をすぐ欲しがります。そして、情報や知識をただ暗記することに走りがちです。しかし、それでは不十分です。知識や情報だけでは、思考・行動の推進力にならない。得られた知識や情報を、推進力・燃料としていかに使うことができるのかが大切です。まずは、目の前にある問題について、答えを欲しがるのではなく、複数の考え方を用意できるようトレーニングしてほしいですね。例えば、自分が思いつく考えに対して、批判的な考えを「あえて」してみましょう。さっき言ったように、大学の講義やゼミで身につけた知識や情報を知っているだけでは価値はありません。極論を言えば、ネットで検索すれば得られるものが多いので。交換可能なものは、価値が低いのです。これに対し、情報や知識を推進力・燃料とする能力(思考力・行動力)は、交換不可能な価値の高いものです。学生のみなさんには、この力を身につけて欲しいと思います。この力は、受動的な消費者意識では身につきません。知識や情報を推進力することを意識して欲しいですね。」

2.斎藤先生ってどんな人?

斎藤ゼミの様子③

Q1.斎藤先生は、刑事訴訟法を専門とされていてその中で「証拠開示」について長年研究されているお聞きしたのですが、なぜ「証拠開示」について研究を行おうと思ったのか、きっかけなどがあればお願いします。

「学部では、刑事訴訟法ゼミに所属していたのですが、当時の刑事裁判は、検察官は、事件に関するほぼ全ての証拠をもっているのにもかかわらず、被告人の有利な証拠は出さないという状態でした。そのような状態は許されるべきではないという思いと同時に、なぜ日本ではこのような状態になってしまったのか、その理由を知りたいと考えるようになりました。学部卒業後に、大学院へ進学し、この疑問についてさらに研究してみたいというのがきっかけです。」

Q2.斎藤先生は学生時代どのような学生でしたか?

「う……ん。難しいですね。まじめな学生でなかったことだけは断言できます。アルバイト、サークル、友人と遊んだり飲み会をするというのが学生生活の大部分でした。元々、ガリ勉タイプではなかったことに加え、福岡という土地がすばらしく楽しくて、美味しい街だったことも理由かもしれません。それに、所属していたバスケットサークルの友人がみんな気が合う連中だったことも理由です。その友人たちとは、今でも仲良くしており、一生のつきあいです。特に1・2回生の頃は、講義への欠席も目立つ「不真面目」な学生だったと思います。ただ、単位は要領よく取っていました。そんな学生生活を送っていたのですが、3回生から始まったゼミがすごく楽しかったのが変化の始まりでした。そこから他の講義の受け止め方も変わってきたかもしれません。これに加えて、同じく3回生のときに受講した「法社会学」の講義が、日常の何気ない問題についてすごく考えさせられる内容で、本当におもしろかったのです。そのあたりから、法学の世界に興味を持ち始めたように思います。ちょっと、法学の面白さに気づくのが遅かったかもしれませんが・・・。」

Q3.大学の教員になろうと思ったのはなぜですか?きっかけになるエピソードがあればお願いします。

「大学院は、2年間の修士課程、その後3年間の博士課程からなります。私は、修士課程に進学するとき、実は大学教員(研究者)になろうとは思っていませんでした。修士課程で、もう少し勉強して公務員になろうかなと思っていました。ところが、3回生後半から少しずつ法学の世界に興味を持ち始めていましたし、大学院のゼミ形式の講義で、議論を重ねたり、いろいろ調べたりしていくうちに、研究者の世界に惹かれていくのを感じました。凝り性なので、徹底して調べて考えるのが合っていたのかもしれません。また、学部の刑事訴訟法ゼミの同級生も大学院に進学して、一緒に議論しながら研究できたというのもよかったと思っています。さらに、大学院の先輩がすごく優秀な方で、いろいろサポートしてもらいながら、研究の世界に少しずつ足を踏み入れていったのです。そんな中、日本刑法学会などの研究者の世界に触れる経験もして、研究者になりたいと思い、大学院の指導教官に「研究者になりたいです」と指導をお願いしました。」

Q4.先生は一昨年、ドイツに行かれていたとお聞きしたのですが、なぜドイツを選んだのですか。

「法学の研究では、外国法と比較しながら、日本の法律の特徴な問題点を確認し、その解決を考えるという方法が、1つのスタンダードなんです。そのとき、どの国を選ぶかが重要となります。私は、最初、アメリカ法を研究しようと思っていたのですが、同期の院生がイギリス法をやるというので、英米法とは異なる特徴を持つ大陸法に分類されるドイツをやろうと思ったのがきっかけです。最初は、ドイツ語を読むのも大変でした。ただ、結果的には正解だったなと思っています。ドイツ法の考え方は、肌に合うというか、非常に興味深いと思っています。諸外国の法律や制度の意味は、文献を読むだけではわかりません。法律は、それぞれの社会の根底にある考え方や価値観、習慣などと密接に関連するものです。それらを学ぶためには、その社会で暮らすのが1つの方法ですよね。そこで、一度生活してみようと思い、龍谷大学の研究員として、2014年から2015年にかけてドイツ留学してきました。」

Q5.ドイツでの思い出の場所や記憶に残っているエピソードなどがあれば教えてください。

斉藤教授

「まずは、留学中に、ドイツがワールドカップで優勝したことですね。留学先は、大学しかない小さな街なんですが、ワールドカップ期間中は、ドイツの試合があるたびに色んな飲み屋や大学で大きなモニターを用意して、みんなでビール飲みながら応援しているんですね。大学の講義も休みになることがありました。誰も来ないので。ドイツが勝ち進むごとに、街のボルテージが上がっていくのを実感できるわけです。そして、ドイツ人のサッカー愛も実感できる。優勝したときは大変な騒ぎでした。旧市役所の前の大きな広場に、大勢集まって大騒ぎでした!当然私も参加しました。
2つめは、クリスマスマーケットです。ドイツ人にとってクリスマスってとても重要なイベントなんです。クリスマスマーケットは、各街・都市で、12月あたまから約3週間、ずっと開かれている市場です。そこにみんな、ほぼ毎日行くんです。名物は、ホットワイン。これを飲みながら友達と話したり、騒いだり。厳しい冬のなか、クリスマスマーケットで騒いで、クリスマスを待っている感じなんですね。いろいろな街・都市のクリスマスマーケットに行きましたが、どれもそれぞれ特色があって、すごくきれいな装飾などをしているのですね。ドイツ人にとって、クリスマスマーケットは本当に特別なんだなと感じました。先日、ベルリンでのクリスマスマーケットにトラックがつっこむという痛ましい事故がありましたが、本当にショッキングな事件だったと思います。
3つめは、ドイツ以外の国も行ったことです。イギリス、チェコ、イタリア、スペイン、オランダなどいろいろ行きました。それぞれ思い出や勉強できたことがあります。私は、有名なサッカーチームである「FCバルセロナ」のファンなのですが、FCバルセロナのホームスタジアム「カンプ・ノウ」で、チャンピオンズ・リーグの試合を見ることができたというのも思い出ですね。
最後に、留学先で、ドイツ人のみなさんに囲まれて、ドイツ語で研究報告したことです。いろいろ大変でしたが、なんとか最後まで、報告や質疑を乗り越えられて、ほっとしたのを覚えています。研究の思い出が少ないと思われるかもしれませんが、研究もしっかりしていましたよ。念のため強調しておきます(笑)。」

Q6.お酒がお好きだとお聞きしたのですが、どんなお酒を飲まれますか。

「色んなものを呑みますが、福岡で学生生活を送った関係で、芋焼酎が基本です。それに、ドイツに行ったこともあってビールも好きですね。でも、なんでも呑みますよ!
ドイツ留学中は、とにかくビールを飲みました。ビールの種類が多いので、いろいろ試しました。ヴァイツェンというビールが好きでした。あと黒ビールも。バンベルクという街にあるラオホビールは最高でした。」

Q7.ドイツにまた行きたいな。と思われますか?

「行きたいです!許されるなら、今日でも出発します(笑)」

Q8.ドイツの魅力などはありますか?

「ドイツのご飯は、日本と比べて特に美味しいわけでないし、サービスもよくありません。ドイツに行くことで、日本のすばらしさ、ご飯のおいしさや治安の良さ、サービスの質の高さを実感しました。例えば、ドイツのレストランのサービスには、最初、びっくりしました。水は有料だし、おしぼりもない。注文も全然取りに来ない。下手をすれば、客の目の前で、足を組んで座って、たばこを吸って休憩している。ただ、これになれると、日本のサービスは過剰なんだなと思うようになるのです。もしかしたら、これが、さっき言った過剰な「消費者意識」につながっているのかもしれない。ゆっくり注文を取りに来るのを待って、ゆっくり食べて、ゆっくり呑む。緩やかな時間の流れが、魅力の1つでしょうね。街並みもすばらしい。古くからの建物を大事にしながら、美しい街が造られているのが印象的です。
誤解を与えたかもしれませんが、ドイツの料理はまずいわけではありませんよ。好きで、よく食べていたものも多くあります。シュニッツェルというカツレツとかハクセという豚の脚をローストしたもの、さらにトルコのものですがケバブなどをよく食べていました。日本と比べて、肉と野菜自体はすごく美味しいと思いました。ただ、魚は・・・苦笑。パンやチョコも美味しかったですね。ビールはもちろんですが、食事もやはりドイツの魅力でしょう。」

Q9.最後に学生に向けて何かメッセージがあればお願いします。

「「楽しい」ということと「楽」は違うということを意識してください。ただ誰かが何かをしてくれるのを待つだけでは、「楽」でしかありません。「楽しい」とは言えないのです。「楽しい」という感覚・状態は、自分から行動しないと絶対に得られないものなんだと思います。そのためには、いろいろ考えたり行動しないといけない。自分のことを楽しくできるのは、他人じゃなくて、やっぱり自分自身なんですよ。「なにか楽しませてほしい」という姿勢では、楽しいという体験なんて絶対できない。そういう意味で、私は、学生のみなさんに学生生活を楽しんでもらいたいと思っています。どうやれば自分が楽しくなれるか、考え抜いてください!」

3.インタビューを終えて

率直にとても気さくな先生だと思いました。学生の目線にたって、学生に寄り添い、見守ってくださる。そんな「あたたかさ」を感じました。見た目はとてもクールな方ですが、大学生である私たちが社会に出ていく上で必要なこと、そして人として大切なことを教えてくださる「熱い」先生です。これが斎藤ゼミの人気の由縁ではないでしょうか。
次回の更新をお楽しみに。

【取材・記事】
法学部学生広報スタッフ LeD's
小山 夏美(法学部2年生)
嶋田 可菜(法学部2年生)

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