龍谷大学法学部 Ryukoku Access to Law and Politics

龍谷大学法学部
You, Challenger

牛尾洋也先生

法学部の先生・ゼミナールを紹介するHPを開設しました
~ 第9回は牛尾先生です ~

Introduction

このホームページでは、法学部の先生方やゼミ生に、学生広報スタッフLeD’sの学生からインタビュー等を行うことで、先生の人柄やゼミでの取り組み・雰囲気等を在学生や受験生に発信していきます。
第9回目は、牛尾先生にお話を伺いました。

1.牛尾先生ってどんな人?

Q1.先生は民法や里山学などについて研究されていますが、研究し始めるきっかけなどはありましたか?

元々私は、19世紀のドイツの法理論を研究するところから始まりました。というのは、日本の法制度や法の運用はなぜヨーロッパと比較すると非常に封建的で民主的ではない部分が多いのか、と感じたからで、19世紀ドイツの法律家、特にルドルフ・イエーリングの法理論を研究しました。イエーリングは、日本の法理論上は、不法行為や違法性、権利論に影響を与えた人物で、明治前期頃から彼の理論が日本にも少しずつ入ってきていましたので、彼の考えを日本のものと比較しながら研究したのが始まりでした。ですので、研究を始めた頃は里山学からはかけ離れた研究を行っていましたね。

その後、龍谷大学に赴任してからは、農地法の研究会に入って現地で農村調査などをする機会があり、そういった活動の延長線上に里山研究があります。それまでは座学を中心に研究していましたが、親しかった先生からの紹介を通して里山研究と出会い、研究の世界が広がりましたし、自然と触れ合う大きなきっかけとなりました。今は、里山学研究センターのセンター長も務めています。

2.牛尾ゼミってどんなゼミ?

Q1.先生は「ゼミ」をどのようなものと考えていますか?

インタビューの様子1インタビューの様子1

ゼミの目標としては、とにかく「学生が力をつけること」に尽きると思っています。ゼミとは単に所属する場ではなく、「力」を付ける目的の場だと考えています。具体的に私が掲げている目標としては、まず勉強することです。もちろん勉強は民法の勉強から始まりますが、どんなことも法律に関わっていますので、研修に行くにあたっては、研修先の地域の基礎情報をはじめ、産業や政策、法的問題点の勉強をするなど、勉強は形にとらわれなくてもいいと思っています。法学部卒として社会へ出て他学部卒の人たちと関り、法学の角度から例えば医学や建築、まちづくりなどの問題に取り組んでいくためには、色々なことを勉強することが大事だと思うからです。そういった点で、大学は自分自身への投資をする場所だと思いますね。

次に掲げる目標は、充実した時間を過ごすことです。時間の使い方は人によって様々だとは思いますが、例えば以前は1つの仕事だけをこなしていた1時間という時間で、集中して3つ4つと多くの仕事をこなすようパーフォーマンスを上げ、余った分はまとまったオフの時間に使うのも良いことだと思います。

そして3つ目の目標は、卒業する時点で様々な能力を修得していることです。牛尾ゼミ卒業生は、パソコンスキルや、先方とのアポイントや、大量の文章をまとめることが出来るようになっています。そういった意味で、自分の頭で考えて、自分で資料を探して、組み立てて作り上げるといった一連の流れを出来るような能力を身につければ、卒業後にどこへ行っても大丈夫だと確信しています。

Q2.牛尾ゼミでは、春と夏に合宿を行っているとお聞きしましたが、その合宿では主にどのようなことをするのでしょうか?また、合宿を通して学生に身に付けてほしい力などがあれば教えていただきたいです。

2回生の春合宿は、いわゆる研修合宿で、目的や内容については基本的に学生たちに決めてもらっています。昨年は国家戦略特区と農業を大きなテーマとして新潟へ行きました。新潟水俣病や日本遺産、世界農業遺産といった詳細なテーマを学生自らが見つけ、世の中が抱える問題について自分たちがどこまで接近できるか、最先端で取り組んでいる方々に対して学生だからといった「甘え」無く、今できることを勉強しつくした姿勢で臨むという活動を行っています。机に向かって勉強するだけではなく、社会の現実を目の当たりにして勉強することが重要だと考えています。

次に、牛尾ゼミでは1年間で2年分のことに取り組もうというのが特徴で、その内容として具体的には3回生にゼミ論文を書いてもらっています。春合宿では研修先へ出掛けましたが、夏合宿では判例や学説を読んで机に向かう勉強をどこまでやれるか、研究内容にどこまでアプローチ出来るかを行います。そしてこの夏合宿では、3回生はゼミ論文、4回生は卒論の合同報告会を行い、実際はまだゼミが本格始動していない2回生も参加します。2泊3日の合宿のうち1日は合同報告会に費やしますが、次の日からは上下回生で班を作って自由に観光し、その夜は全員で楽しくコンパをするメリハリのある合宿になっています。

この合宿を通してまず2回生には先輩の背中を見たり、先輩から勉強や就職の話を聞いたりする中で自分の将来について考えてもらいたいですね。次に3回生には人数の多くなる夏の合同合宿において全体のスケジュール管理やプランニングをして、コミュニケーション能力を付けてほしいです。同時に、3回生は合宿のメインでもある論文報告までの一連の流れをやり遂げるための総合的な力もつけていってほしいです。そうして4回生になると、報告の際に要点をコンパクトにまとめた報告が出来るようになって、本当に総合力が身に付くと思いますね。

Q3.牛尾ゼミにはどのような学生が集まっていますか?また、どのような学生に来てほしいと考えていますか?

牛尾ゼミは一説では「過労死ゼミ」とも呼ばれているんですが、まだ誰も死んだこともないし過労死しそうなのは私の方です(笑)。ただ、そういう評判のおかげか、意欲のある人や「自分は変わりたい」という思いを持った人が多く集まってくるように思います。例えば高校時代にやりきれなかったことがある、受験では力を思うように発揮できなかったなどそれぞれの思いから、大学では何かをやり遂げてリベンジしたいといった野心を持った学生が多いかなと感じますね。そして、これからもやはり意欲ある学生には来てほしいです。色んな学生がいるとは思いますが、成績の善し悪しは関係なくて、どんなに分からないところや苦手なことがあっても、しがみついて頑張ってくれる人は必ず伸びるし、いい結果を出せると思っています。ですので、最後までやり抜くぞという意志を持った学生に来てほしいなと思いますね。

Q4.ここは他のゼミには負けないぞという点があれば教えてください。

インタビューの様子2インタビューの様子2

ゼミの特徴としては上限設定をしていないことです。龍谷大学の学生であればこのくらいでいいだろうということではなく、レベルやクオリティーを要求し、全国の大学生の中で勝負できる人の育成を目指しています。私はこの龍谷大学に勤めて25年ですが、実際にゼミ生の多くは、本人の希望に近いところへ就職できていますし、希望以上のところへ就職したゼミ生も少なくありません。そういう意味では、全国の大学の法学部の中で負けていないと思います。また、最初の一年はみんなに頑張ってもらいますが、ゼミには少し運動部ノリ的なものもあり、卒業後も横の関係・縦の関係が強く、とても仲良くて、それはみなさんの一生の財産ではないかなと思います。

Q5.牛尾先生のゼミの卒業生にはどのような進路に進む学生がいますか。

民法の専門分野では、研究者です。実際にひとりは大阪市立大学法学部の准教授になっていますし、今大学院で博士号取得を目指している学生もいます。次に法律関係職も多いです。裁判官や弁護士になっている人もいますし、司法書士の数も多く、毎年ロースクールに通う学生は一人ずつくらいいます。それから、公務員が多いです。多い年ではゼミ生の半分を超える人が公務員になります。国家総合職にも去年と一昨年、女子学生が就職しました。二人との女性なんですよね(笑)。他には、京都市役所や京都府庁もたくさん行きますね。民間に関しても、通信系や金融、流通系もそこそこいます。全体としては、一番多い就職先はやはり民間ですが、30%を超える学生は公務員になっていて、5~10%は法律関係職という感じです。

Q6.何かはまっていることや趣味はありますか。

料理ですね(笑)。いま急にはまった訳ではないんですが、留学先で色んな料理を試すようになってからおもしろくなって料理をしますが、細かい味付けなどない男料理です。それと併せて食べるということも楽しみの一つですね。B級でいいんですが、地域ごとの美味しいものをその季節に食べる。そして合わせて地元のものを飲むことも大事ですね(笑)

他には高校時代に演劇の演出などしたことがあり、大学入る前には映画監督になりたいと思っていた時期がありましたので、今でも映画は好きです。

Q7.今まで合宿でいろんなところへ行かれたと思いますが、何か思い出に残るエピソードがあれば教えてください。

どこもそこならではの味わいがあり、よかったですね。私達は単に観光ではなく、下調べをしてから、その地域に入っていくので、少し見え方は違います。今でも行った先々に知り合いがいたりするので、観光は観光でも、最近、地域の状況はどうですか?と聞いてしまう感じですね。里山の観点から見たり、景観の観点からみたり、土地の問題・植生・気候・食べ物、全部含めて行った先々すべてがよかったですね。

それから、ドイツに二度ほど留学をしました。そのときに、ヨーロッパのあちこちに自分で計画を組みたてて回りましたが、そうすると、ハプニングばっかりですし、上手く計画通り運ぶことはないですね。でもそれがまた旅行であり、様々な事が起こることが面白いですね。ヨーロッパではそんなことばかりでしたが、日本はあまりそういった余裕がないように感じます。日本でももう少しルーズでもいいかなと思いますが(笑)。

Q8.最後に学生に向けてメッセージがあればお願いします。

今しかないかけがえのない時間を過ごしてほしいですね。私は常日頃から学生たちに「時空を超えろ!」と言っているのですが、わかる人たちはいずれわかるようになります。そこに新しい世界が見えてきます。

3.インタビューを終えて

インタビューの様子3 インタビューの様子3

アクティブ!という印象のあるゼミを開講されている牛尾先生ですが、インタビューの日は終始、優しく物腰柔らかに私たちの質問に答えてくださいました。また、牛尾ゼミには自分の目標をしっかりと持っている学生が多いのですが、先生の情熱により、そんな学生がさらに熱く目標に向かって努力することができるんだな、と改めて感じました。

【取材・記事】
法学部学生広報スタッフ LeD's
石田 聡子(法学部3年生)
小山 夏美(法学部3年生)

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