龍谷大学法学部 法政アクティブリサーチ

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市民主導の景観まちづくりに関するAL

みらいの環境を支える龍谷プロジェクト

環境問題やまちづくりに関するアクティブラーニング

本プロジェクトでは、牛尾洋也教授(民法学)のもと、環境問題やまちづくりなどの社会問題について、机上での勉強を基に実際に現場に出て学び、学生の視点から問題の解決を図っています。行政(過去には、京都市、総務省、環境省など)を始め、訴訟現場(広島県鞆の浦、東京都国立市など)でのヒアリングや意見交換などを行い、研究を進めてきています。

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2016度は、京都市市街地景観整備条例による「地域景観づくり協議会」に着目して、研究・活動を行いました。この協議会制度は、該当地区で新たに建築物を建築する際に、地域の協議会での話し合いが義務付けられるもので、このことにより、地域内の良好な景観形成を図ることが可能になります。現在、京都市内で10の地域(2017年6月1日現在)において「地域景観づくり協議会」が認定されていますが、今回の調査では、その中でも明倫学区の「明倫自治連合会」を中心に、景観とまちづくりについて研究し、課題の解決方法を探りました。

「まちあるき」やヒアリング調査を実施

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明倫学区は、京都市中京区に位置する、南北は三条通~四条通、東西は烏丸通~西洞院通に囲まれた地域で、明治2年設立の明倫小学校の校区域のことです。明倫小学校は平成12年に統合のため廃校となり、現在は京都芸術センターとなっています。
 明倫学区には祇園祭に山や鉾を出す町内が13か所あり、歴史ある町会所や京町家など、「祇園祭の町」ならではのまちなみや文化を有しています。しかし、近年、ホテルの建設や和装産業の低迷、民泊問題などにより、地域の景観と合わない建物やコミュニケーションが問題となり、まちなみの統一感が失われてきており、また、マンションの建設により人口が増加しているため、従来からのコミュニティとの共生が急務になっています。

本プロジェクトでは、景観に関する情報収集に加え、実際の「まちあるき」や自治連合会の役員の方へのヒアリング調査、また、景観行政団体として知られる真鶴町、鎌倉市(いずれも神奈川県)との比較等の調査を行い、地域における「景観まちづくり」に関してどのような課題があるのか、またそれどのように解決すればいいのかを検討しました。

地域景観まちづくりに関する学生提言

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私たちの調査プロジェクトでは、明倫学区での課題に関し、①外国人観光客のニーズを把握するためのアンケート調査、②調和ある通り景観を維持するための室町通・新町通に面する建物の写真撮影、③地域景観まちづくりに対する若者の意見として、我々は、明倫学区の景観まちづくりに関する住民の意識共有をするために、「明倫学区・美の表明」を調査活動の成果として提言しました。2016年度の龍谷大学学術文化祭では、この成果公表の一環として、「模擬まちあるきMAP」の展示も行いました。

フィールドワーク調査によって得られたこと

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以上のような調査活動に取り組むなかで、実際に目でまちなみを見ることによって感じられる景観への配慮・美しさを感じることができました。また、地域の自治連合会やNPO団体へのヒアリングに加えて、行政へのヒアリングを行うことで、両者の連携とギャップを感じることができました。

私たちは「明倫学区・美の表明」を提示しましたが、これによって、若者でありかつ第三者である者の視点から、明倫学区の魅力を認識・再認識してもらえるのではないかと思います。今回の活動を通じて、景観形成にあたり、「景観まちづくり」についてそれぞれが考えることの重要性、そしてそれぞれの主体が地域コミュニティでの「景観まちづくり」に加わっていくことの重要性を実感することができました。

活動の事例

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