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Graduate School of Law

法学研究科

研究科長メッセージ

広範な学識に支えられた深い思索を

法学研究科長

法学研究科は、「法学・政治学の領域で高度な研究・教育を通じ、世界と地域で活躍し、共生(ともいき)の社会を担う、人権感覚に溢れた研究者及び専門職業人の養成」ということを目的としています。

大学院の修士課程では、大学での学修で獲得した一般的教養と専門的教養の基礎の上に、専攻分野における研究能力を育んでいくことになります。また、博士後期課程では、修士課程で得た研究能力を基に、専攻分野において研究者及び高度な専門知識を有する専門職業人として自立した研究活動を行うために必要な研究能力を涵養していくことを目指します。

大学院では、自分の将来を見据えながら、修士課程と博士後期課程それぞれにおいて専攻分野の研究に励んでください。そして、自分の専攻分野だけではなく、今日の世界や地域が直面する諸問題にも関心をもつようにしてください。

たとえば、日本、そして世界各国が直面している新型コロナウイルスの感染拡大は、グローバル化の下で世界が内包していたさまざまな矛盾や問題を顕在化させ、社会の格差や分断をよりいっそう深刻化させています。私たちは、単に感染拡大前の日常に戻ることを求めるのではなく、アフター・コロナを視野に入れながら新たな世界や社会のあり方を模索していく必要があります。

今日のような先行き不透明な状況において我々に進むべき方向性を指し示すものが、人類が歩んできた歴史です。イギリスの碩学E. H. カーは、『歴史とは何か』の中で、「歴史とは歴史家と事実との間の相互作用の不断の過程であり、現在と過去との間の尽きることを知らぬ対話」であると述べています。それでは、歴史家は、何のために過去の事実と向き合い、これを解釈しようとするのでしょうか。歴史家は、あるべき未来の選択のために、過去の事実と向き合い現在を理解するのです。歴史とは、現在の状況を理解し、あるべき未来を展望するためのものなのです。過去を見る眼を養うことが、現在を見る眼を養い、そして、我々が進むべき未来を展望して選択することにつながると言えるでしょう。

大学院では、法律学・政治学に限らず歴史学など隣接する領域の学術書にも多く接し、また、指導教員や院生同士の間で学問的な議論を重ねて、自分とは異なる考え方にもしっかりと耳を傾けながら思索を深めてください。広範な学識に支えられた深い思索の先に、自分の専攻分野の研究の進展があり、さらには、世界や地域が直面する困難な諸問題を克服するための現実的な発想が生まれることにもなると思います。

大学院において研究に没頭できる時間は、院生の皆さんの人生においてとても貴重な時間となります。充実した研究活動を行うことができるように、法学研究科のスタッフも皆さんを支えていきたいと思います。

法学研究科長 橋口 豊

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