▼解決を目指す「社会課題」

足立 瑞貴さん
3年生(大阪府立天王寺高等学校 出身)
「自分さえ良ければいい」「法律だから仕方ない」「文句をいう権利がない」。不十分な規範意識や法知識の誤りや、偏った権利意識は、本来苦しまなくてよい人が苦しい思いをしてしまう理不尽な問題を生み出します。周囲の理解のなさや原因の複雑さなど、問題の背景はさまざまですが、被害を受けるべき理由のない人が金銭や心身の損害を負ってしまうのは、あってはならないことです。「法律実務論」という授業では、弁護士や司法書士の事務所で2 週間または4 週間の実習を行い、理不尽な問題が山積する社会の現実を学びます。そこで目の当たりにするのは、専門家の判断一つで人の人生が変わるかもしれないという現場のリアルなやりとりと緊張感です。張り詰めた空気のなか、社会には法律に関わる問題が溢れていることを実感します。私は企業の問題に触れる機会が多く、実社会の厳しさと法の重みを改めて肌で感じました。
どのような被害が存在するかを想像できなければ、社会課題を認識しているとはいえません。しかし、すべての人が相手の立場に立って物事を考えて行動するわけではありません。社会課題の解決は、問題を抱える人の痛みに共感することから始まります。実習では、依頼人が置かれている苦しい立場を把握し、その人が直面している被害とは何かを考えました。知識を増やせば増やすほど、固定観念にとらわれがちですが、現場では、解決すべき問題は教科書どおりではないことや、解決方法は一つではないことに気づかされます。こうした経験を通じて、常に「一歩先まで」考えることを心がけるようになりました。多様な価値観や経営者の方々が重視する視点を知り、自分の視野も広がった気がします。ここでの経験は、これからの人生にも必ず役立つと確信しています。
SEE MORE
▼解決を目指す「社会課題」

内堀 珠来さん
3年生(大阪府立天王寺高等学校 出身)
各地で少子高齢化が進み、人手不足が深刻な問題として取りざたされる現代日本において、多文化共生社会の実現は重要な課題です。私たちは、「多文化共生」に焦点を当て、自分たちなりの解決と実現策を探ることにしました。「法政アクティブリサーチ」は、学生が主体となって大きな社会課題の解決に取り組む授業です。多文化共生の実現をより多角的に考察するため、グループのメンバー一人ひとりが問いを立てて調査を行います。私は「多重の壁を抱える外国人を取り残さないためには?」という問いを立て、障がい者や高齢の外国人支援に関する調査を行いました。調査が進むにつれて、外国人支援現場の厳しさを痛感し、私自身の多文化共生に対する考え方も変化していきました。
多文化共生は、「国籍や⺠族などの異なる人々が、文化的な違いを認め合い、対等な関係を築こうとしながら、共に生きていくこと」と定義されています。私も調査に臨むまでは、多文化共生は「違いを認め合うこと」だと考え、はじめから困難な目的が設定されていると思っていました。しかし、外国人支援の厳しい現実を目の当たりにするなかで、重要なのは「違いを認め合うにはどうすれば良いか」を考え続けるという姿勢そのものだと気づきました。この授業で得た最大の成長は、自分のなかの「当たり前」を疑問視し、問い直す大切さを理解できたことです。社会課題と向き合う方々との対話を通じて、現代社会の実情を肌で感じ、私自身も日本社会の一構成員であると意識するようになりました。「法政アクティブリサーチ」をとおして、社会貢献への意欲が明確になり、積極的かつ主体的な行動力が身についたと感じています。
SEE MORE
▼解決を目指す「社会課題」

川上 創太朗さん
2年生(香川県 大手前高松高等学校 出身)
法制度が存在しているにもかかわらず、誰もが平等に法律の恩恵を受けられる社会ではありません。そのような課題に、私たち学生法律相談部は向き合っています。経済的理由や知識不足から「弁護士に相談するほどではない」と一人で悩みを抱える人は少なくありません。この法的支援へのアクセス格差をなくすため、私たちは法学部生という立場から無料で法律相談を行っています。活動はキャンパス内にとどまらず、法律事務所が少ない地域へ直接足を運ぶ「巡回法律相談」も実施しています。法学部の教員や弁護士をはじめとする専門家の助言を得ながら、相談者の話に丁寧に耳を傾け、解決案や解決を探る行政や福祉機関の存在を伝え、法的支援を超えた幅広いサポートにつなげます。こうすることで、市民と制度をつなぐ橋渡し役として、誰もが平等に法の恩恵を得られる社会の実現をめざしています。
一番やりがいを感じるのは、相談を終えた方が安心した表情を見せてくれる瞬間です。仲間や先生と議論を重ね、納得のいく解決の糸口を提示できたときにも、大きな達成感を得られます。単なる知識の提供にとどまらない「人を支えている」という実感こそが、この活動の醍醐味です。この活動に参加して、法律は良くも悪くも知っている者の味方であり、法を活かすには知識が不可欠であることを痛感しました。だからこそ、私たち法学部生が、その知識を社会に広めていく役割を担うことで、課題の解決につながると思います。法の学びが自分のためだけでなく、他者を支える力になると実感できたことは、大きな収穫でした。相手の声に耳を傾ける傾聴力、相手の立場を理解する想像力、そして専門知識を社会に還元する責任感。活動をとおして得たこれらの力は、将来どんな道に進んでも私の礎となるに違いありません。
SEE MORE
▼解決を目指す「社会課題」

坂本 陽菜さん
3年生(大阪府立枚方津田高等学校 出身)
私の所属するゼミでは、法制度がどのような歴史的経緯を経て形成されたのかを学び、現代社会が抱える多様な社会問題について考察しています。ゼミで取り上げられる刑事司法や少年問題、ジェンダー、AI など多岐にわたるテーマに共通して問われるのは、「制度と社会の実態の関係」を多角的にとらえる姿勢です。私たちのゼミでの取り組みの特徴は、文献から制度や成り立ちを学びつつ、学生が主体となってさまざまな調査や発表を行う、知識と実践の往還にあります。例えば自分たちのテーマに応じて自治体や関係機関に対して、現場の声を聴くヒアリング調査を行います。こうした多様な視点からの鋭いフィードバックを受ける経験をとおして、課題把握の重要性を肌で感じました。
法律や制度が整っていても、運用のされ方や情報の届き方次第で、当事者が不利益を被る可能性があります。自身の研究テーマである「虚偽自白」の問題をとおして、その現実に直面し、法律を単なる制度と括るのではなく、成立過程や歴史的経緯、社会的背景と結びつけて考える重要性を理解しました。研究をとおして現場の実態を知り、解決の土台となる多角的な視点が養われたと実感しています。社会課題を解決するには、知識として理解するだけでなく、自ら問いを立て、考え続けることが重要です。「現場を歩き、多様な人々と協働して課題に向き合う」姿勢は、実社会でも必ず役立つはずです。ここで磨いた思考力と実行力を糧に、社会のさまざまなステージで人々の権利を支え、価値を創造できる人をめざします。
SEE MORE
山口 陸斗さん
3年生(愛知県 愛知産業大学工業高等学校※ 出身)※現:名古屋たちばな高等学校
ドローンの軍事利用への興味から、無人化と自律化が進む現代の戦争について、国際法や倫理の観点から研究しています。戦闘倫理や国際法上の責任のあり方が大きく変化する国際社会において「誰が最終的な責任を負うのか」という問いは、法規範や倫理観を試す重要な課題です。ドローン技術や軍事運用の事例を学ぶなかで、倫理や社会、法律を多角的に考察する力が養われ、模擬国連の議論をとおして、実際に意思決定を行う力が身につきました。複雑な課題を立体的に理解した経験は、今後の研究や卒業後のキャリアにも活きると確信しています。
越野 藍さん
3年生(石川県立金沢桜丘高等学校 出身)
答えのない問いに対し、刑法の観点からアプローチしています。私たちが自由に活動できるのは、守るべきルールがあるからです。どのように自由が保障されているのか、そのメカニズムを深く学びたいと考えました。一つのテーマでも、さまざまな切り口の議論が存在します。自分とは異なる意見を知り、すべての人が納得できる答えはなくても、不利益を減らす最適解を求めるには、多面的かつ現実的に考える必要があるとわかりました。意見に一貫性をもたせ、根拠を提示する方法を意識できるようになったのは、大きな成長です。
宮田 千穂さん
3年生(奈良県立橿原高等学校 出身)
私たちの暮らしに最も身近な民法を学んでいます。日常生活を意識して見ると、あらゆる場面に法律が存在しています。買い物一つをとっても民法上では「契約」という法律行為の一つです。何気ない行動が法律と結びついていると知り、社会を見る解像度が上がりました。また、ディベートをとおして自分の意見を発信し、他者の発想や知識に触れる過程で、苦手意識のあった論理的思考力も鍛えられました。法律は決して堅苦しいだけのものではなく、人と関わりながら生きていく人生の土台です。学ぶほどにその奥深さに魅了されています。
田村 真一さん
3年生(大阪府立槻の木高等学校 出身)
政治的な課題と学説だけでなく、哲学や歴史など幅広い視野から政治学を学んでいます。活動の中心は、学生同士の議論です。再分配から生成AI まで、さまざまなテーマで話し合いを重ねることにより、相反する主張が理解できるようになり、自身の主張の盲点に気づかされることも少なくありません。政治学に関する情報をただ集めるのではなく、社会の動きを鋭く分析する「眼」を養うことが重要だと身をもって感じました。専門知識が増えるにつれて深まったヨーロッパ政治への興味を、卒業研究で掘り下げたいと思います。