- 教員氏名
- Sharif Mebed (メベッド シェリフ) 教授
文学とコミュニケーションが専門分野です。元々日本文学に興味があって、来日しました。大学院で、日本の近代文学を学び、その後、別の大学院で英語教育を学びました。今は比較文学の研究に専念しています。日本と英語圏の20世紀と21世紀の文学を通して、文化の有様を知ろうとしており、面白い発見が毎日のようにあります。この分野を選んだ理由は、まず好奇心です。アメリカ人の私にとって遠い日本のベールの後ろに何があるのかを知りたかったです。しかし、日本に来てから数年経ったところで、返ってアメリカのことも謎だと思うようになりました。両方の謎を解くように毎日研究と教育を続けています。
私たちは、毎日当たり前のように言語を使っています。言語の素晴らしさに気づかないまま、言語によって喧嘩をし、人の悪口をいい、戦争を起こすまでできます。また、詩やお歌、愛を告白する手紙もあります。心を動かすポエムや歌詞もあります。しかし、人間の言葉そのものは全く理解されていません。「Run」と「ran」は同じ単語なのか。同じであれば「go」の過去形の「went」はどうですか。食べる、食う、召し上がる、食事する、口にするという同じ行為を指す単語はなぜ存在しているのか。なぜ漱石の「こゝろ」は傑作なのに、毎日出版される数々の小説はそうでないのか?研究すればそれらの理由を見つけられます。言葉は深い・不解です。
学生と話をして、ものごとを別の観点から見て、人文の常識を覆すようなことを聞けます。想像力が刺激されるので、とっても楽しいです。自分の考えをよりきちんとさせてくれることもあります。授業を通して教育されるのは学生より自分だと思います。
私のゼミは英語コミュニケーションコースのゼミで、主に英語圏の映画を題材とし、スピーキングやリスニングやライティングのレベルアップを図りながら、映画における異文化の価値観など、作品の意味作用を考察し検証します。また日本の映画(アニメも)や昔話などもとりあげ、アメリカの物語との意外な共通点も発見します。
私はピンク・フロイトやレッド・ツェッペリンのような1970年代、1980年代のロック音楽が好きです。最近これらのバンドのTシャツが流行っていますが、着ている若者はその音楽をしらないようです。是非聞いていただきたいと思います。
法に欠かせないことは言語です。何万年前に人間が初めて言葉を使うようになったきっかけもルールを定めることによって社会生活が効率的に行えるからではないでしょうか。言いたいことを他者に伝えることが社会の基本で、動物ができない人間ができることと言えば、自分の心の中にあることを他人に正確に伝えることです。そこで言葉(日本語も外国語も)を上手に使うことが大事です。就職も部活ももちろん大事ですが、大学生の間にしっかり言語の役割と使い方を深く考えてほしいです。