- 教員氏名
- 村上 亮 准教授
専門は近現代のオーストリア史です。とくに近年は、第一次世界大戦が勃発した背景と大戦のきっかけとなったサライェヴォ事件の犠牲者フランツ・フェルディナントの実像、ならびに両大戦間期オーストリアの文書館とアーキヴィストに関心を持っています。ただ正直に申し上げると、大学院進学に際して専門分野を決め切れないなか、なかば「苦し紛れ」で選んだのがオーストリアでした。
歴史=暗記と捉えている人が多いと思いますが、決してそうではありません。また、人物や物事の解釈や評価は、時代や環境によって変わります。つまり歴史は「書き換えられる」ものなのです。大学における歴史学は、答えが一つではないところ、あるいは自分なりの物語を作りあげられるところに高校までとの違い、そして面白さがあると考えています。
元々は中学か高校の教員を目指していました。大学院の修士課程で研究の面白さに気づき、勢いのままに博士課程に進みました。ウィーンへの留学が最終的な決め手になりました。
座右の銘ほどではありませんが、好きな言葉として「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。」目先の結果に一喜一憂するのではなく、冷静に自分を見つめなおす姿勢を持ち続けられるように努めています。
わたしたちは今日、インターネットなどを通じて多くの情報を容易に手に入れることができます。しかし、受け身になるのではなく、自ら問いを立て、それを主体的な学びを通じて解決していく過程こそ大学における学びの醍醐味と考えています。その面白さを共に経験できればうれしく思います。