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Faculty of Law

法学部

嶋田 佳広

嶋田 佳広
教員氏名
嶋田 佳広(しまだ よしひろ) 教授

ご自身の専門分野と、その分野を選んだきっかけを教えてください。

社会保障法を専攻しています。私の場合、いつの頃からか忘れましたが、貧乏という現象に興味があり、人生のなかでいちどしっかりと考えてみたいと思っていました。学部のときに社会保障法のゼミに入り、さらに縁があって大学院に進学してから、いろいろ勉強していくうちに、分かったような気分にもなれるし、とたんになんだか分からないようにもなってしまう、社会保障法のなんともいえない魅力にはまり込んだところから、今に至っています。

専門分野の面白さを教えてください。

社会保障法は、法律系の科目のなかではおそらくマイナーな存在だと思います。そしてそれだけに、まだまだやり尽くされてもいないし、どこを掘っても発見の連続です。一例として、私は住宅問題に関心があるのですが、社会保障と住宅の関係をどう考えるか、20年以上頭を悩ませても、いまだに答えらしい答えにたどり着いていません。また、社会保障法の議論の特徴として、社会保障は法的にこんな制度です!、と、バシッと決める場面、社会保障は法的にどんな制度なの?、と、問い続ける場面、両方のバランスが重要で、そこに面白さがあるように感じます。

大学教員になろうと思ったきっかけを教えてください。

教員になりたい、という理由で研究を始めたわけでは必ずしもないのですが、日本では専門の研究者と大学の教員とが一体化しているため、自分もいつしか教員になるんだな、と思って研究を続けてきました。とはいえ、頭の中でそういうものだと分かっていても、体がついていかないときもあり、こんな自分でこれから本当にやっていけるのか、悩んだこともあります。そのとき師匠に、「嶋田はシマダでしかない、でも、嶋田しかシマダはいない」(つまり、自分が他人になろうと思ってもなれるわけではないけど、他人にだって自分の代わりはできないんだ、という意味だと受け取りましたが)と、諭されたというか励まされ、おかげで頑張ってこられました。

先生のゼミに入ったらどのような活動を行うことができますか。

大学の授業において、ゼミは、アウトプットの最前線です。そして学生がまさに主役を演じます。やりたいことを何でもやってください。教員はその手伝いをするだけです。といっても、いきなり丸投げか、と思われるとそれも何なので、勉強の小難しいことはそれはそれで押さえつつ、ゼミではいろんなことにチャレンジしてもらう機会をたくさん用意しますので、そのなかでどんどん自分を変えていく、そういうゼミ活動に、ゼミ生と教員が一丸になって取り組んでいければと思います。

好きな〇〇

好きなというか、おすすめの本を挙げておきます。シュテファン・ツヴァイク『マリー・アントワネット』(岩波文庫 赤 437-1~2)。フランス革命のなかで、アントワネットという自分のなかに自分しかなかった人物が、アントワネットとは何者かという自覚のもと、アントワネット自身になっていく、その生き様と死に様に、200年という時空を超えて心が動かされます。

法学部の学生や、これから法学部を目指す人にメッセージをお願いします。

高校生のうちから法律に興味がある人は少数派でしょうし、法学部に入ったのも実は成り行きで、というパターンも珍しくはありません。大事なことは、いま、この時点での選択を、ポジティブなものに変えていくことができるかどうかです。法律科目の勉強は、いったい自分が何を学んでいるのかに気づくまで、それなりに時間がかかります。そういう意味では法律学には即効性がありません。だからこそ、自分のなかのスイッチがいつかオンになるその日まで、自分が自分のマスターになるんだ、そういう思いで、毎日を丁寧に過ごし、目の前の課題に集中していってください。

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