- 教員氏名
- 内田 有紀(うちだ ゆき) 講師
専門はアメリカ文学です。きっかけは、大学でアメリカ文学ゼミを選択したことです。
アメリカはさまざまな文化的背景をもつ人々が寄り集まってできた国です。新大陸に多様な人々を導いたのは、「新大陸には自由と安住がある。今よりも幸せになれる」という物語でした。つまりアメリカ建国の起源は物語にあります。これは、物語がわたしたちの現実を反映するだけでなく、わたしたちの現実をつくっていることの一例です。新聞記事、SNS上の私的なやり取り、歴史など、わたしたちが事実として受け取っている情報は、わたしたちが現実を理解するために構築した物語です。わたしたちの現実がどのような言説で構成されているのか、それを研究するのが文学研究の面白さではないかと思います。
これといったきっかけはないのですが、さまざまな縁に導かれて今に至ります。
好きな作家:安部公房、フラナリー・オコナ―、ジョナサン・フランゼン、太宰治、三島由紀夫、など。
大学とは、自分(の考え)を正当化したり擁護するための姑息なレトリック武装の技術を習得する場ではありません。学問とは本来、真実へ近づこうとする(真実は到達可能なのか、そもそも真実は存在するのかという不安をつねに抱えつつ)弛まぬ努力と忍耐力を要するものです。これが正しい、これが正解、これで解決…こうした安直な思考停止状態で満足してしまわないために訓練をする場が大学だと思います。