Need Help?

Faculty of Law

法学部

学部長メッセージ

ウイズコロナの時代にみえてくるもの

法学部長 丹羽 徹

2019年12月に感染が確認され、その後、全世界を大きなパニックに陥れた新型コロナウイルス感染症は、2年以上を経過した現在においても、なお終息の兆しは見えない。とはいえ、当初からすれば、様々な議論があるもののワクチン接種が進み、さらに治療薬の開発も精力的に行われており、このウィルスとの付き合い方もだんだんわかってきている。とはいえ、ウィルスにはつきものの変異種への対応がいつまで続くのかは定かではない。まだ当面は、コロナウィルスとともに生活をするしかないのだろう。もっとも、様々なウィルスとともに人類は共存してきているので、正しく恐れ、生活様式もそれに合わせる必要はある。学校という空間は、とくに多数の人が集う空間であるために、それを心がけてもらいたい。

コロナ禍は私たちの生活を大きく変えた。人・モノの移動が制限されたことにより、これまで自由に行えたことの重要性を私たちは改めて感じることができた。学生たちは、講義・サークル活動などで友人同士の直接の交流を制約された。対面での授業の再開、さらにサークル活動の再開を求める学生が多く届けられた。オンライン授業は、知識の伝達などには一定対面の代わりになったが、微妙な表情の変化、空気感は直接の対面にはかなわない。これは友人同士のコミュニケーションでも同じことが言えるだろう。人間は社会的存在であると言われるである。もちろん、対面での付き合いを不得意とする人もいるだろう。それでもせっかく袖触れ合うことになったのだから、制約の中ではあるが人間関係を広げる努力をしてほしい。

コミュニケーションをとるにあたって必要なスキルがいくつかある。第一に、言葉を大切にすることである。お互いに話していることがわからなかったら前提を欠いてしまう。日本だけではなく外国にも目を広げてほしい。共通の土俵に乗ることがまずは第一歩。そして第二に、他者を理解しようとすること。つまりリスペクトすること。これは相手の言うことに賛同することでは決してない。他社と全く同じ立場に立つということはほとんどあり得ない。より良い結論に至るまで、徹底した相互批判は民主主義にとっても欠くことのできないものである。批判と批難は全く別物であることをわきまえてほしい。

さて、みなさんは龍谷大学法学部での4年間、法学や政治学を中心に学ぶことになる。上に述べたことは法学部での学びにおいても同じ。法学・政治学に限らず学問的な議論をするときには、その言葉の持つ意味が、ときに日常的なものとはことなるいわゆる専門用語が出てくる場面が何度もある。一方が日常的な使い方で、他方が専門用語として使っていると議論が成り立たない。また、事件の当事者を理解するには社会的な文脈の中で考え、あるいはその人となりまで結論に影響する場合もある。人間をトータルで把握することも必要で、そのためには、法学・政治学にとどまらず哲学、歴史学、経済学、さらには自然科学まで広く学ぶべし。何をするにもこれらのことは遠回りのようで案外近道かもしれない。

法学部長 丹羽 徹

Request Information

資料請求