- 教員氏名
- 森 直香(もり なおか) 教授
私の専門分野はスペイン文学および比較文学です。この分野を選んだ理由は、物語を読むことが好きだったことに加え、物語が時代や文化を越えて多くの人に読まれるという現象に強い関心を抱いたためです。たとえば、17世紀スペインで書かれたセルバンテスの『ドン・キホーテ』は、現代の日本でも広く親しまれています。文学はなぜ国境や時代を越えて読まれ続けるのか、日本の読者は17世紀スペインの読者と同じ感想を抱くのかといった問いが研究の出発点となりました。
さらに、2015年ごろから弁護士に同行して通訳に携わる機会に恵まれたことをきっかけに、職業としての通訳が抱える課題や人材育成にも関心を持つようになりました。
文学研究では、日本におけるフェデリコ・ガルシア・ロルカの戯曲の受容とアダプテーション分析を中心に研究を行っています。ロルカは20世紀スペインを代表する作家で、1950年代以降、日本でも多くの読者を獲得し、舞台作品としても繰り返し上演されてきました。日本の読者や演劇人がロルカに見いだした魅力の中には、スペイン本国の読者が必ずしも意識していなかった側面もあり、その差異からロルカ文学の新たな意味が立ち上がる点に強い刺激を受けています。
アダプテーション分析では、原典が別のメディアへ移行する際にどのような変化が生じるのかに注目しています。たとえば、小説が映画化される場合、表現方法は大きく異なりますが、原典の精神を忠実に継承する作品もあれば、原典を大胆に変容させ、新たな意味を付加する作品もあります。その変化の幅や方向性を読み解くことに、非常に大きな興味を感じています。
通訳研究では、通訳行為に伴う問題だけでなく、海外にルーツを持つ人々が日本社会で直面する問題にも光を当てることができます。これらの研究を通して、異文化コミュニケーションの在り方や、多文化共生社会をどのように築いていくべきかについて関心を深めています。
大学進学の際、外国語を身につければ、長く専門的な職業に携われるのではないかと考え、スペイン語学科に進学しました。学ぶうちにスペイン語やスペイン文学の面白さを次々と発見し、その魅力をより多くの人に伝えたいという思いが強くなり、大学教員を志すようになりました。
スペインおよびラテンアメリカ諸国の文化と社会の基本事項を学んだうえで、文学や映画などの文化表象において、それらがどのように描かれているかを検討します。これらを通してスペイン語圏における一貫性と多様性を学びます。一方で、日本の文化との比較も行い、相互の文化と社会への理解を広げます。
・好きなボーイズ・グループ:Travis Japan
パフォーマンスを通してひとつの物語世界を劇的かつ豊かに表現している点、そしてシンクロダンスを得意としながらも、それぞれの個性が際立っている点に魅力を感じます。
大学時代は、社会人として必要な論理的思考力や表現力、そして新しい発想の基礎となる教養を身につけるための重要な期間です。そのためには、文学や外国語を含む幅広い知識を学ぶことが欠かせません。また、文学作品や外国語のテクストを深く読み解く力は、法律文書を読みこなす力にもつながると考えています。